近視の治療
近視の治療
平成31年4月2日 発行
春を迎えて、視力検査の季節となりました。今回は近視の治療についての話です。その前に視力の正しい呼び方を覚えていただきたいと思います。近視、遠視、乱視、老視などですが、遠視と老視がとても混同されやすいです。
屈折異常
近視:近くにはピントが合うが、遠くには合わない。凹レンズで矯正。
遠視:近くにも遠くにもピントが合わない。凸レンズで矯正。
乱視:縦横でピントの合う距離が違う。近視性、遠視性、混合。
調節の衰え
老視:遠くから近くを見たときピントが合いにくい。
年齢が高くなれば、全ての人がなる。眼鏡が必要かは、個人差がある。
さて、屈折異常の呼び方を確認していただいたところで、近視の治療の話に移りましょう。近視の治療には、眼鏡、コンタクトレンズ、手術などがあります。それぞれ長所短所がありますが、それぞれについて説明します。
眼鏡:眼鏡店で作るのですが、その前に必ず眼科で診てもらいましょう。屈折異常の他に何か目の病気が無いか、診てもらうことが大事です。近視の度が強くなると、周辺部が歪むので、運転時のバックなどが辛くなります
コンタクトレンズ(CL):CLは、高度医療機器Ⅲの医療機器です。人工心肺の部品などが含まれ、医療従事者が扱いますが、CLは一般の方が使います。眼鏡に比べ角膜に乗せて使うので歪みはありません。しかしCLは角膜上に乗せて使うものです。ゴミが眼の中に入った時の痛みが酷いことはよく知っていると思います。CLはまさに異物を眼の中に入れて使うものです。痛く感じないのは、角膜のカーブに合わせるように設計されているからです。近視の度数、角膜のカーブ、角膜の健康状態などCLを装用する前には、眼科での様々の検査が必要です。装用中も定期的に眼の健康状態を検査する必要があります。よく「面倒な検査なしにCLが買えます」というお店を目にしますが、自分の眼の健康を考えて是非検査を受けて下さい。
CLの特殊なものにオルソケラトロジーがありますが、内側に溝のついたハードコンタクトレンズを夜間に装用するので、管理は難しいです。
手術:レーシックやRK手術(放射状角膜切開術)などがあります。近視の度数や、角膜の厚さなどにより、全ての方が受けられるわけではありません。また、将来白内障の手術を受ける必要ができたとき、レーシックで角膜をどれくらい削ったか、わかっていないと、眼内レンズの度数に誤差が出やすいので、どのくらい削ったか記録しておいてください。
どの治療法も必ず眼科で検査を受け、最も適した方法を選んでください。
(M・N記)