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『フレイル』について

『フレイル』について

令和2年2月3日 発行

2014年日本老年医学会は高齢化する日本の現状から海外の老年医学の分野で使用されている英語の「Frailty(フレイルティ)」から『フレイル』という概念を提唱しました。「Frailty」を日本語に訳すと「虚弱」や「老衰」、「脆弱」などを意味します。

フレイルは、厚生労働省研究班の報告書では「加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能等)が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱化が出現した状態であるが、一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態像」とされています。健康な状態と介護状態の中間を意味します。高齢者においては特にフレイルが発症しやすいことがわかっています。

原因には加齢に伴う活動量の低下と社会交流機会の減少、身体機能の低下(歩行スピードの低下)、筋力の低下、認知機能の低下、易疲労性や活力の低下、慢性的な管理が必要な疾患(呼吸器病、心血管疾患、抑うつ症状、貧血)にかかっていること、体重減少、低栄養、収入・教育歴・家族構成などが挙げられます。中高年者では過栄養、肥満からなるメタボリックシンドロームが糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を引き起こし、死亡リスクを高くするため、生活習慣病の予防が大切となりますが、後期高齢者ではフレイルの原因となる身体機能や認知機能の低下に関連する低栄養への対策が重要となってきます。

フレイルの基準(Friedらのフレイルの評価基準)には5項目あり、3項目以上該当するとフレイル、1または2項目だけの場合にはフレイルの前段階であるプレフレイルと判断します。

1.体重減少:意図しない年間4.5キロまたは5%以上の体重減少

2.倦怠感:何をするのも面倒だと週に3~4日以上感じる

3.歩行速度の低下:1メートル/秒未満の場合

4.握力の低下:(利き手の測定で男性26キロ未満)

5.身体活動量の低下

フレイルの状態になっていると風邪をこじらせて肺炎を発症したり、転倒して骨折をする可能性が高くなります。また、骨折、病気による入院をきっかけにフレイルから寝たきりになってしまうことがあります。この状態に家族や医療関係者が早く気付き対応することができれば、要介護状態に至る可能性を減らせる可能性があります。まずフレイルを予防するために下のフレイルサイクルを理解する必要があります。

サルコペニアとは筋肉量が減少し、歩行速度が低下しているような状態です。加齢や病気に伴って起きるサルコペニアを起こすと身体の機能が低下します。足の筋肉量低下により歩行速度が落ち、疲れやすくなるため全体の活動量が減少します。このためエネルギー消費量が減り、必要とするエネルギー量も減少します。動かないとお腹が空かないので食欲もなくなります。加齢による食事量の低下も加わり慢性的に栄養不足の状態になります。これはサルコペニアをさらに進行させ、筋力低下が進むという悪循環へ陥ります。

このフレイルサイクルを断ち切ることが予防であり、治療です。まずは持病をコントロールすることが大切です。糖尿病や高血圧、腎臓病、心臓病、呼吸器疾患、整形外科的疾患などの慢性疾患がフレイルを悪化させてしまいます。次は栄養療法と運動療法です。筋肉をつけるために必要な良質なタンパク質を摂れるような食事指導をします。サルコペニア、筋力低下に対しては、高齢者であっても運動療法は有効です。ベッドの上で足の運動を行うことから始まり、椅子に座ったり立ち上がったりを繰り返したり、歩行距離を徐々に延ばしていくなど個人に合ったものから始め運動強度を調整しましょう。生活習慣も大切です。食事は一人で食べないでみんなとコミュニケーションを取りながら食べた方が摂取量は増えるとの報告もあります。厚生労働省は「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」として、今より10分多く体を動かす「プラス・テン」の呼びかけを行っています。ちょっとした動作や日常生活そのものに運動の要素を取り入れることでプラス10分の運動も達成することができるという訳です。

高齢化が急速に進んでいる現代社会において、フレイルに早く気付き、正しく介入(治療や予防)することが大切です。

フレイルサイクル

(H・M記)

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冬場のウイルス感染はインフルエンザだけじゃない!
他にもあった怖い風邪!

冬場のウイルス感染はインフルエンザだけじゃない!
他にもあった怖い風邪!

令和1年12月2日 発行

皆さんはRSウイルス感染症という病気を知っていますか? このウイルスは冬場に多い風邪の原因になります。年長児や大人が罹っても酷い風邪程度で済みますが、小さな赤ちゃんが罹患すると結構大変な事になる場合があります。そしてRSウイルスは2歳くらいまでにほぼ全員が感染するのです。特に集団保育をされている乳児では罹患しやすく、あっという間にクラス中に広まります。感染方法は飛沫感染と接触感染ですので、乳児ではオモチャなどを舐めたり手洗いやうがいが出来にくかったりする事も広まる原因かもしれません。

RSウイルスに感染すると2-8日の潜伏期を経て酷い鼻水や咳が出てきます。多くの人は自然に軽快していきますが、乳児では、長くゼイゼイしたり、鼻水で息がし難くなったり、哺乳できなくなったり、高熱が出たりします。また中耳炎を合併する事もあり、新生児では無呼吸発作と言って息を止めてしまう事もあります。乳児や1、2歳の子供でこのような症状が出てきたらRSウイルス感染を疑って検査する事になります。この検査の結果が陽性で感染が確認された場合、呼吸状態や酸素濃度測定の結果により入院かどうかを決める事になります。発症してから5日目くらいが一番苦しい時で、入院して点滴や酸素投与が行われます。稀に細菌感染を合併して抗生物質を投与される場合もあります。ほとんどは合併症無く退院できます。しかしその後も風邪になる度にゼイゼイを繰り返す子供も見られます。同じように乳幼児をゼイゼイさせるウイルス感染にヒトメタニューモウイルス感染症があります。これも子供の頃に何度か罹り乳児期には肺炎などを起こして重篤になる場合があります。

これらのウイルスはインフルエンザウイルス感染のように飛沫感染です。冬場は空気が乾燥しウイルスが拡散しやすい環境になります。手洗いうがいはもちろん、咳やくしゃみの際のエチケットも心がけたいですね。さらにウイルスを除去するために次亜塩素酸でオモチャなどを消毒するのも良いでしょう。また、乳児のいるご家庭では、風邪ひきさんを乳児から遠ざける配慮も必要かもしれません。集団生活をなさっている乳児は、ゼイゼイするような様子があれば、是非かかりつけ医に早めに相談されると良いと思います。また、小さく産まれた赤ちゃんや免疫不全、心臓病、ダウン症などの赤ちゃんではシナジスというRSウイルスに対するワクチンを打っています。

どのウイルスも基本になるのは予防です。よく寝てよく食べて手洗いうがいを行い冬の時期を元気に乗り越えましょう。

(M・C記)

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はしか(麻しん)は命定め!でも予防できる病気です!

はしか(麻しん)は命定め!でも予防できる病気です!

令和1年10月1日 発行

2015年3月、日本から日本土着のはしか(麻しん)ウイルス(遺伝子型D5)が排除されたと、WHOが認定しました。 これは麻しん予防接種が全国規模で実施され、遂に約95%の接種率が達成された結果です。 発病すると麻しんウイルスに対する有効な治療法はないため、死亡することもあります。 脳炎と肺炎が、麻しんの二大死因です。また感染力が非常に強い病気であり、まだ予防接種がなかった時代には、ほとんどの人が15歳までに麻しんに罹っていました。

江戸末期の1862年、麻しんの大流行があり、江戸だけでも239,862人の麻しんによる死者が寺から報告されました。1966年に、予防接種が可能になるまで、世界中で、猛威をふるい、人々の命を奪っていました。それ故に、はしかは命定めと言われました。

日本では1978年、麻しんの予防接種が定期化され、1歳で接種することになりました。 しかしながら、その後も麻しんは時々流行したため、2006年から1歳児と年長児、すなわち2回のMR(麻しん、風しん、混合)ワクチン接種が定期化されました。2008年には、キャッチアップとして、中学1年生と高校3年生の年代に、2回目MRワクチンを定期化しました。この5年間の経過措置により、1990年以降に生まれた人は、MRワクチン2回接種済となり、麻しんにかかる可能性はほとんどなくなりました。

現在麻しんにかかっている人はほぼワクチン接種歴がないか、接種1回のみの人です。ただし、1回でも接種していると、り患しても軽症になることが多いです。 昨今世界は狭くなり、海外から多くの人が日本を訪れ、また日本から多くの人が海外にでかけます。これに伴って、はしかウイルスが輸入されます。これには税関も入国審査もなく自由に出入国できます。

はしかウイルスはヒトの体内でしか生息できないため必ずや持ち込む人の存在があります。感染後約10日間の潜伏期間を経て、熱発、咳、鼻汁、結膜炎などの症状があらわれますが、この時点では他の風邪と見分けがつきません。しかしながら、カタル期と言われるこの時期が最も感染力が強いのです。もしこのカタル期の人が、航空機に乗っていたら、乗り合わせた全員が、麻しんに感染するかもしれません。少なくとも、保健所による健康観察下におかれ、行動制限をされることもあります。ただし、麻しんに免疫があれば、まず発病しないし、周囲への伝染の心配もなく、よって健康観察も行動制限も必要ありません。

現在、世界的に麻しんは増えています。予防接種が普及し、ほとんどの人は麻しんに罹らないようになったのでその怖さが薄れて、予防接種を受けない人が、(正確には子どもに受けさせない人も含めて)世界的に増加しています。 日本に先立って2000年に麻しん排除と認定された米国では今年は9月5日までに1,241人の麻しんが報告されました。これは1992年以来最大です。日本でも今年は8月までに676人が報告されていて、これは10,000人以上の大流行があった2008年以降では、2009年(732人)に次ぐ規模となっています。

麻しんは感染症法で5類に分類され、医師は診断後直ちに、当該者の氏名も含めて保健所に報告しなければなりません。また学校保健安全法では予防すべき感染症第二種、すなわち感染しやすいものとなっています。さらに学校における麻しん対策ガイドラインなどによれば、<麻しんは国民の健康保持のため国を挙げて排除することが必要な疾患であり、また排除しうる疾患である。該当する者の保護者には予防接種を受けさせるよう努める義務が課せられている。定期健康診断に先立って行う保健調査の機会等を活用して予防接種歴を確認する。また全職員についても確認する。>と記されています。

麻しんで命を落とす、あるいは後遺症として、脳障害、視力障害、聴力障害などに苦しむことのないように、健康な時に予防接種を是非受けることを推奨します。妊婦が麻しんにかかると重症になり、流産、早産になる場合もあります。妊娠する前に、予防接種が必要かどうか検討することを推奨します。

(K・N記)

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風しん第五期定期接種と先天性風しん症候群

風しん第五期定期接種と先天性風しん症候群

令和1年8月1日 発行

妊娠初期(主に12週まで)に妊婦さんが風しんに感染すると、子宮で胎児も風しんに感染し、様々な障害をもって生まれます。 これを先天性風しん症候群といいます。その確率は、妊娠1か月では最も多く約50%です。

CDC(アメリカ疾病予防管理センター)は、日本では2018年後半から風しんが流行中であり、MMR(麻しん、風しん、おたふく)ワクチン接種を確認してから日本に行くように旅行者に注意喚起しています。さらに風しんは妊婦と胎児にとって大変危険な病気であるから、この流行の間は風しんワクチン未接種で過去に感染歴のない妊婦は、特に妊娠20週までの間、日本に旅行してはいけない、と明言しています。

2020年東京オリンピック迄あと1年、それまでに風しん流行を抑え、妊婦さんにも安心して日本を訪れてもらい、オリンピックや観光を楽しんでほしいです。もちろん日本の妊婦さんが風しんに感染し、胎児に影響が出ることも、防止しなければなりません。どうすれば胎児を風しんから守ってあげられるのでしょうか?その答えは、私たちが風しんに罹らないことです。そのためには風しん抗体検査を是非受けて、そして抗体価が低かったら、是非MRワクチンも受けて胎児を先天性風しんから守りましょう。

あなたが1962年(昭和37年)4月2日から1979年(昭和54年)4月1日までの間に生まれた男性(現在39歳から56歳の男性)なら風しん抗体検査は無料で出来ます。この年代の男性は今まで公費で風しん予防接種を受ける機会がなかったこともあり、風しん抗体保有率が他の年代に比べて低いです。そのため、昨年12月にこの世代の男性(目黒区では約37000人)に対する予防接種・抗体検査の実施が決まりました。これを風しん第五期定期接種といいます。この年代の男性の抗体保有率を3年間かけて現在の80%から90%以上に高める計画です。該当された人には目黒区役所よりクーポン券が送られています。クーポン券が送られた方は、ぜひ抗体検査を受け、抗体価が低い場合はMRワクチンを受けて下さい。

現在は1歳でMRワクチン(麻しん、風しん混合ワクチン)、年長さんの時、さらに2回目のMRワクチンを定期予防接種として受けることになっていますが以下に示すように年代によって変遷があります。

では風しんというのはどのような病気なのでしょうか?風しんは風しんウィルスによる発熱、発疹、リンパ節腫脹を特徴とする、伝染力の強い病気です。主に飛沫感染し潜伏期は2~3週間です。確定診断には抗体検査や遺伝子検査などが必要です。風しんを診断した医師は直ちに保健所に届けを出さなければいけません。

不顕性感染と言って、感染していても全く症状のないものから、稀に脳炎や血小板減少性紫斑病などの重大な合併症をおこすものまであります。最も重症な合併症が先天性風しん症候群です。妊娠初期に妊婦さんが風しんに感染した場合、胎盤や胎児が感染し、様々な問題が生じます。一番多いのが心臓病です。早期に見つけて治療をしないと重大なことになる可能性があります。

次に目の病気です。白内障、緑内障、網膜症、など失明の可能性があります。 耳にも問題が起きます。神経性難聴です。その他、低出生体重、小頭症、脾腫、黄疸、出血傾向、知的発達遅滞、甲状腺などの内分泌疾患、などが報告されています。さらに晩期的な肺疾患も報告されています。

母親が風しんに感染しなかったらこれほどの様々な症状に苦しまずに済むのです。くどいようですが、繰り返しです。妊娠する前の女性も含めて、予防接種を必要とする人が予防接種をうけ、とにかく風しんの流行を抑えることが重要です。

(K・N記)

生年月日などによる風しんワクチンの定期接種状況

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真夏に多い皮膚疾患とその対策

真夏に多い皮膚疾患とその対策

令和1年6月3日 発行

夏は肌の露出が多くなることに加えて、紫外線や汗、草花や虫、プールなどお肌への刺激がいっぱいです。夏に多い皮膚のトラブルの注意点をいくつかお話しします。

日焼け(日光皮膚炎)

海水浴、プールはもとより公園や山でも紫外線にあふれています。短時間でも大量の太陽光を浴びると、皮膚が赤く腫れてヒリヒリし、ひどい場合には水ぶくれができます。 また、日焼けにより、しみ、そばかすがひどくなります。日光アレルギーのある人は露光部に皮疹が出ることもあります。まず日差しの強い時間帯の外出を避け、帽子、日傘、長袖の衣服、手袋、日焼け止めの使用で、紫外線防御を心がけましょう。日焼け止めは、普段使いならSPF10-20/PA++くらい、アウトドアではSPF30以上/PA+++くらいのものが目安です。敏感肌の人は紫外線吸収剤が入っていないもの(ノンケミカルタイプ)がおすすめです。日焼け止めの効果持続は数時間なので適宜塗り直さなければ効果を維持できません。

あせも(汗疹)

高温多湿環境下で汗を出す管に汗が貯まることで生じます。あせもは予防が一番。発汗は新陳代謝、体温調整のためにも重要ですが、出た汗をそのままにしておかないこと。吸湿性のよい肌着を着用し、汗を吸収してくれる面積が広いTシャツスタイルの方がランニングシャツよりもあせも予防に適しています。汗で濡れた衣服は着替え、シャワーを浴びましょう。治りにくい場合には皮膚科を受診しましょう。 ベビーパウダーなどはあせもの予防に使うもので、治療薬ではありません。

虫刺され

蚊だけではなく、毛虫や犬猫のノミも発生し、人を刺します。その他にも、蜂、イエダニ、アブ、ブユ、チャドクガ、頭シラミ、などなど。原因により治療が異なりますので、原因もなにもわからない時などは皮膚科を受診してください。掻き壊して悪化させてしまった場合は、とびひになってしまうこともあります。

とびひ(伝染性膿痂疹)

細菌による感染症で、掻くことで火事の火の粉が「飛び火」したように広がるためこう呼ばれています。元来細菌の多い場所である鼻や耳をいじっているうちに発症する場合や、虫刺されや怪我などをいじっているうちに発症することが多いようです。初期ならば塗り薬で、広がってしまった場合にはかゆみ止めや抗菌剤の内服も行います。とびひがあるあいだは プールは控えましょう。通園、通学は医師や担任の先生、保育士さんと相談しましょう。

みずいぼ(伝染性軟属腫)

ウイルスが原因で起こる感染症です。放置していても自然に治りますが、6ヵ月~5年かかることもあります。その間に他の場所にうつったり、他の人にうつしたりしてしまいます。専用のピンセットで摘除するのが一般的で、麻酔テープを使うことにより痛みを和らげることができます。プールに通っている場合はビート板などで再感染する機会が多いので摘除しない方法も考えます。

水虫

白癬菌というカビによる感染症です。プールや温泉の足ふきマットなどから感染する機会が多くなります。TVのCMなどで「かゆい」イメージがあると思いますが、実際にかゆみを訴える人は20%くらいで、ほとんどの人は痒くないため、水虫だと思っていない人もおられます。また足の汗によるムレなどで指の間がふやけているのを水虫と判断し、市販の水虫薬を使って悪化させてしまうこともあるようです。足指の間の乾燥やジクジク、小さな水ぶくれがある場合には検査をされるのがいいでしょう。5分ほどで診断がつきます。もし水虫と診断された場合には 処方された塗り薬を足の裏と指の間に 一日一回しっかりたっぷり塗りましょう。踵(かかと)の角質が厚くなるタイプや 爪の水虫には内服薬で治療する場合もあります。

(K・O記)

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近視の治療

近視の治療

平成31年4月2日 発行

春を迎えて、視力検査の季節となりました。今回は近視の治療についての話です。その前に視力の正しい呼び方を覚えていただきたいと思います。近視、遠視、乱視、老視などですが、遠視と老視がとても混同されやすいです。

屈折異常

近視:近くにはピントが合うが、遠くには合わない。凹レンズで矯正。

遠視:近くにも遠くにもピントが合わない。凸レンズで矯正。

乱視:縦横でピントの合う距離が違う。近視性、遠視性、混合。

調節の衰え

老視:遠くから近くを見たときピントが合いにくい。

年齢が高くなれば、全ての人がなる。眼鏡が必要かは、個人差がある。

さて、屈折異常の呼び方を確認していただいたところで、近視の治療の話に移りましょう。近視の治療には、眼鏡、コンタクトレンズ、手術などがあります。それぞれ長所短所がありますが、それぞれについて説明します。

眼鏡:眼鏡店で作るのですが、その前に必ず眼科で診てもらいましょう。屈折異常の他に何か目の病気が無いか、診てもらうことが大事です。近視の度が強くなると、周辺部が歪むので、運転時のバックなどが辛くなります

コンタクトレンズ(CL):CLは、高度医療機器Ⅲの医療機器です。人工心肺の部品などが含まれ、医療従事者が扱いますが、CLは一般の方が使います。眼鏡に比べ角膜に乗せて使うので歪みはありません。しかしCLは角膜上に乗せて使うものです。ゴミが眼の中に入った時の痛みが酷いことはよく知っていると思います。CLはまさに異物を眼の中に入れて使うものです。痛く感じないのは、角膜のカーブに合わせるように設計されているからです。近視の度数、角膜のカーブ、角膜の健康状態などCLを装用する前には、眼科での様々の検査が必要です。装用中も定期的に眼の健康状態を検査する必要があります。よく「面倒な検査なしにCLが買えます」というお店を目にしますが、自分の眼の健康を考えて是非検査を受けて下さい。

CLの特殊なものにオルソケラトロジーがありますが、内側に溝のついたハードコンタクトレンズを夜間に装用するので、管理は難しいです。

手術:レーシックやRK手術(放射状角膜切開術)などがあります。近視の度数や、角膜の厚さなどにより、全ての方が受けられるわけではありません。また、将来白内障の手術を受ける必要ができたとき、レーシックで角膜をどれくらい削ったか、わかっていないと、眼内レンズの度数に誤差が出やすいので、どのくらい削ったか記録しておいてください。

どの治療法も必ず眼科で検査を受け、最も適した方法を選んでください。

(M・N記)

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頭痛第二弾 ~緊張型頭痛~

頭痛第二弾 ~緊張型頭痛~

平成31年2月1日 発行

前回は片頭痛について解説いたしました。今回は、頭痛で最も多い、緊張型頭痛について解説と治療方法についてご説明いたします。

緊張型頭痛は、頭痛の50~60%を占め、最も多く、片頭痛と同様に女性に多い頭痛です。名前のごとく、緊張によりおこる頭痛で、精神的な緊張、ストレスのみならず、頭部の周囲や首の筋肉、筋膜の緊張が原因と言われております。ですので、運動不足の方、ストレスの多い方、寝不足の方、喫煙者や姿勢の悪い方に非常に多い頭痛です。肩こり、首の痛みからせり上がる様な痛みは典型的ですが、両側のこめかみの締め付けるような痛みや圧迫されるような痛みを感じることも多い頭痛です。ただ吐き気を伴うことは少ないのですが、慢性化してくると体動で増強し、嘔気を伴うこともあります。特に最近は、スマートフォンやパソコンを長時間しかも同じ姿勢で使用する方が多く、姿勢の悪さから、ストレートネック(前方に湾曲するべき首が猫背姿勢で真っすぐから後方に湾曲となっている状態)をおこし、首こり、肩こりの原因となっております。体重の10%前後と言われている頭部が体の一番上にあり、それを支えているのが、首です。この首は、頸椎とそれを取り巻く筋肉からなっております。その首の筋肉はほとんどが後ろ側にあり、頭を後ろから支えています。そのため、ストレートネックや前かがみ姿勢の方は常に首の筋肉に緊張がかかった状態で、血流障害から痛みが誘発され、頭痛へと進展していきます。その痛みが続けば続くほど、痛みを抑える脳の働きが衰えて、さらに痛みが増強され、慢性緊張型頭痛へと移行します。この悪循環を解消する事こそが、緊張型頭痛の根本治療となります。

仕事中など忙しい時に緊張型頭痛がひどくなった場合は、まずは自分に最もあった頭痛薬を服用しましょう。鎮痛薬のアセトアミノフェンや抗炎症鎮痛薬のバッファリン、イブプロフェンやロキソプロフェンの服用で急場を凌ぐことです。その他筋弛緩薬のチザニジンの併用も効果があります。また抗不安薬であるエチゾラムは不安や緊張を和らげつつ、筋弛緩作用があるため併用は効果的です。その他抗うつ薬のアミトリプチリンも効果があります。

ただこれらの内服治療は、一時的な作用で持続は短いため、慢性化する前に根本的な治療を行っていくことです。日ごろのリラックス、ストレスの解消や十分な睡眠は必須です。仕事中の姿勢改善やストレッチングも効果があります。またマッサージや整体で筋肉をほぐしたり、姿勢を正すことも効果がありますが、頭痛まで進展した筋の緊張を取り除くのは、局所の針・お灸やマッサージのみでは不十分です。やはりご自身の体全体の筋肉を動かして首・肩の筋肉の血行を改善する事が必要です。おすすめは、ウォーキング、スロージョギングです。肩を大きく前後に振り、若干大股で歩きましょう。肺を大きく膨らませることで、理想の姿勢で理想の首の並びを維持できます。肩を前後に振ることで首、肩の筋肉の血流は改善し、発痛物質を除去します。また肺を大きく膨らますことは、きれいな酸素を全身に流し、さらに免疫力を上げます。仕事で忙しく運動の時間が作れないかたは、是非ショルダーバッグからリュックサックタイプのバッグに変更し、大股で通勤しましょう。若干体が暖かくなる程度のスピードが理想です。頭痛を改善するために、是非運動靴に履き替えて、外に飛び出しましょう。

(H・I記)

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インフルエンザ

インフルエンザ

平成30年12月3日 発行

いよいよ寒い季節がやってきました。冬といえば風邪、インフルエンザのシーズンです。インフルエンザは、普通の風邪とは違って、突然の高熱と全身のだるさ、筋肉痛などの全身症状です。通常、高熱が数日持続し、1週間程度で回復します。時には、肺炎や脳症などの合併症を伴い重症になることもあります。流行は通常11月~3月頃までです。

では、もしインフルエンザかな?と感じたら、医療機関を受診して検査を受けることになります。発熱後6時間以上経過してからの検査が陽性率が上がるといわれております。咽頭後壁ないし鼻腔内にスワブ(綿棒のようなもの)を挿入して、咽頭粘液を採取しますので痛みが生じます。高熱で苦しいときに、痛みを伴う検査を何度も繰り返されることは患者様にとってつらいことです。検査のタイミングを見計らって、医療機関を受診しましょう。ただ、発熱直後のウイルスが少ない時期は正確に診断できないことがあります。そこで、検査で「陰性」であっても、疑わしい場合は翌日も検査する事があります。

インフルエンザと診断をされたら、どのようなお薬が最適な治療薬なのか?ということが次に大切になります。今年度からはまた新しいタイプの治療薬が追加されましたので、患者様に最適な治療薬の提供ができるようになってまいりました。

インフルエンザ治療は、症状を緩和する対症療法とウイルスを増やさない抗インフルエンザ薬があります。

1.対症療法:発熱・咳・痰・倦怠感などの対応

2.抗インフルエンザ薬:通常、発熱後2日以内に使用します

インフルエンザに抗生物質は効きません

抗インフルエンザ薬の治療効果は、発熱期間を短縮するものです。また、ウイルスの増殖を防ぐことで、周囲の方への感染の拡大抑制効果もあります。では、インフルエンザの治療薬にはどのようなものがあるのでしょうか?現在は、5種類の抗インフルエンザ薬があります。薬の剤型も5種類あります。1.カプセル(タミフル)、2.錠剤(ゾフルーザ)、3.粉(タミフル)、4.吸入(リレンザ・イナビル)、5.点滴(ラピアクタ)。患者様の年齢や体格(体重)と日頃の服薬状況・職場復帰など、生活環境に適した治療薬の選択ができるようになりました。

抗インフルエンザ薬を選択する目安

1:タミフルを選ぶ目安

5歳未満児の第1選択薬。体重37.5Kg未満はドライシロップ、体重37.5Kg以上はカプセルを服用します。2018年からジェネリック医薬品も発売され、中学卒業後の人で医療費を抑えたい人にも対応できます

2:リレンザを選ぶ目安

吸入薬。5日間連続で1日2回吸入します。成人も子どもも同じ量を使用

・メリット:イナビルと比較すると、10歳未満児で体格の良い人でも十分量の薬を投与できます

・デメリット:イナビルと比較すると、合計10回吸入するので、保護者が毎回吸入の介助(手伝い)ができないご家庭にはやや不向きな印象です

3:イナビルを選ぶ目安

吸入薬。1度の吸入で治療完結。10才未満児は2吸入、10歳児以上は4吸入します

・メリット:リレンザと比較すると1度の吸入で治療が終了するので、忙しいご家庭向きです

・デメリット:リレンザと比較すると10才未満児で体格が良いお子さんには、薬の量が少なめになる印象です。

4:ゾフルーザ錠を選ぶ目安

錠剤。1回の服用で治療が完結します。年齢と体重により服用量が変わります。 日頃から上手に錠剤が飲める人にお勧めします。体重10Kg以上のお子さんから服用できる決まりです。

5:ゾフルーザ顆粒(未発売)を選ぶ目安

顆粒。1回の服用で治療が完結します。体重20Kg以上から服用できます。錠剤と同様で年齢と体重により服用量が変わります。ゾフルーザ錠と異なり体重10Kg~20Kgの方は服用できません。

6:ラピアクタを選ぶ目安

点滴が必要な注射薬です。経口摂取艱難な患者様、点滴で早期の社会復帰を望むような患者様に適しております

これからのシーズン、高熱が出て、全身症状が強く、いつもの風邪とは違う、と感じたら早めに医療機関を受診して、インフルエンザと診断を受けたら、最適の治療薬を選択してゆっくり体を休めましょう。

(R・S記)

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