『運動器検診問診票』記入のポイント
『運動器検診問診票』記入のポイント
平成28年4月1日 発行
近年、スマホ・ゲームの普及や外遊びの減少などにより、体がかたい、バランスが悪いなど子供の運動機能の低下が注目されています。この状態を「運動器機能不全」または「子どもロコモ」と呼ばれるものです。
平成28年度から学校検診に運動器検診の項目が追加される事になりました。今後ご家庭に「運動器検診問診票」とういものが配布されます。それに基づいて養護の先生、学校医の先生が判定を行い、整形外科への診察を受けるようにご指導がされることになります。今回はこの「運動器検診問診票」の記入に際してのポイントについて説明させていただきます。
1)側湾症
まず“気をつけ”の姿勢で子供を立たせ、後ろから背骨の状態を観察してください。
右図のように
①肩の高さに左右差がないか?
②肩甲骨の高さに左右左派ないか?
③脇のラインの曲がり方に左右差がないか?を見ます。
①から③は背骨の側湾そのものを見ています。
④次に両手をだらんと下げながら前かがみに腰を90度前屈します。
この際に左右の肩甲骨の高さに差がないかを見てください。
側湾症のある場合は背骨に“ねじれ”が生じるので、肩甲骨の高さに左右差ができます。これを見ます。
2)体幹の前後屈
足を肩幅くらいに開いて立ちます。膝を曲げずに股関節からしっかりお辞儀をするように曲げましょう。 床に指先がつくかつかないかを見るのではなく、腰痛が出るか出ないかをみてください。 次に大きく体を後方に反らせます。膝は軽く曲げるようにしましょう。 この時も腰痛の有無を見てください。
3)片足立ち
楽な姿勢で立ち、左右それぞれ片足を上げます。
上げた方の太ももが水平で膝が90度くらい曲がっていると理想的です。
痛みなく、ふらつかずに5秒間持続できればOKです。
手の位置は自由です。下げていても開いていても構いません。
バランス能力をみています。
4)しゃがみこみ
足を肩幅くらいに開いて立ちます。 両手を前に出してバランスをとりながら、お尻を落としていきます。 途中で止まらず、踵が上がらず、足の裏全体を床につけながら、倒れずに最後までしゃがみこめればOKです。 下肢の柔軟性の検査です。
5)肘の動き
手のひらを上に向けて肘を曲げたり伸ばしたりしてみてください。
痛みは出ませんか?スムーズに動きますか?
肘はしっかり伸びていますか?曲げた時に指先が肩につきますか?
角度や動きに左右差はありませんか?
6)バンザイをしてみましょう。
両手を体の前から180度挙げましょう。腕がしっかりと耳につくか見てあげてください。肩関節がかたかったり、猫背だと腕が耳につきません。痛みや左右差もみてください。上肢の柔軟性をみています。
以上のポイントに注意して異常があった場合は気楽にそして正直に( )に○を記入してください。
(H・M記)