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過剰なアイメークに注意しましょう

過剰なアイメークに注意しましょう
(コンタクトレンズとの関係にも注意)

平成24年6月1日 発行

若い女性を中心に、目元を強調する「目ヂカラ」メークがはやっています。タレントの影響でしょうか。アイライン、アイシャドウ、マスカラだけでは物足りなくて、アートメーク、エクステンション、付けまつ毛と、次第にエスカレートしています。まつ毛エクステンション(略してエクステ)によるトラブルは多く、2010年度には93件もの相談が消費者センターに寄せられた、といいます。その内容は、「充血がとれない」「角膜が傷付いて、眼がゴロゴロする」などの訴えです。特別な資格が不要で、安易に参入業者が増えていることも、関係しているようです。美しさを追求するあまり、眼球そのものにダメージを与えるなら、本末転倒です。接着剤による炎症以外にも、垂れ下がった人工毛が一部角膜に当たったりする例もあるようです。

付けまつ毛も、強力な接着剤を使用するので、長時間使用していると、眼瞼傷炎の原因になると思われます。目を少しでも大きく見せたいという気持ちは理解できますが、何でもやり過ぎは禁物です。

目の際ぎりぎりまで、アイラインやアイシャドウを塗り込んだり、まつ毛はビューラーで思いっきりあげて、マスカラでたっぷりボリュームアップしたりしているのをよく見ます。10代から30代の女性の約7割が、まつ毛の根元や内側の粘膜までアイラインを入れている、というデータも。実際、若い女性向けの美容雑誌を見ると、「まつ毛内側ギリギリのラインに、アイラインを描くと、より眼が大きくみえる」と指導しているのですから、困ったものです。コンタクトレンズを装用している場合は、必ずレンズを先に入れてから、メークをしましょう。そうしないと、アイシャドウの粉が、レンズ表面に付いてしまいます。

逆に、メーク落とし(クレンジング)はレンズを外してからにして下さい。レンズの汚れや、レンズ変形の原因になってしまうからです。

涙の量が少なくなったり、働きが悪くなったりして起こるトラブルをドライアイといい、目が乾いたり、ゴロゴロしたり、充血したりなどの症状が出ます。上下のまつ毛の内側には「マイボーム腺」という分泌腺があり、上まぶたに約25個、下まぶたに約20個の出口があります。そこから目を乾燥から守るために大切な脂質が出ていますが、まつ毛の内側をアイラインでぬりつぶしてしまうと、マイボーム腺の出口が塞がれて、涙が蒸発しやすくなり、ドライアイを起こすようになります。

ドライアイになると、目の表面の角膜や結膜にキズができやすくなります。キズができると細菌や真菌、アメーバといった微生物に感染しやすくなってしまいます。目の調子が悪いと感じたら、すぐにコンタクトレンズを外して眼科を受診するようにしてください。

(C・N)

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