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乳がん

乳がん

平成23年10月1日 発行

いま、乳がんに罹る人が増えています。

日本全国では1年間に約5万人の方が、新しく乳がんになっています。生涯の中で、十数人に1人が乳がんになると言われており、女性が罹るがんの第一位となっています。
 年齢別では、40歳代~50歳代に最も多く、60歳代・70歳代にも多くみられますが、その一方で、30歳代の患者さんも、決して珍しくはありません。
 日本の人口が約1億2千万人で、目黒区の人口が約25万人ですから、とても単純にして考えますと、目黒区では1年間に約100人の方が乳がんになっていると推測されます。

乳房のしこりだけではなく、左右で形が違ってきた、乳首の向きが変わった、乳房にくぼみのようなものができた、皮膚が赤くなってきた、乳頭から血液混じりの分泌物が出てくる、といった症状には注意が必要です。
 他の内臓のがんと違い、乳房は自分で見て触ることが出来ますので、詳しいことまでは分からないにしても、何か異状があった時には自分で気がつくことが可能です。そして、早く見つかり適切な治療を受ければ、多くの乳がんは治まりますので、普段から注意をしておく甲斐がある病気と言えます。

早期発見・早期治療をするべく、目黒区では40歳以上の方を対象に、マンモグラフィを用いた乳がん検診を行っています。平成22年度には、約5千人の方が受診され、21人の方に乳がんが発見されました。
 乳がん検診と言えば、マンモグラフィと連想されることも多いのですが、マンモグラフィも決して万能という訳ではありません。
 40歳以上の方の検診には、マンモグラフィが有効であることは広く認められているのですが、より若い年代では注意が必要です。つまり20歳代・30歳代の方では、乳腺が発達しているため、マンモグラフィのレントゲン写真では白く濃く写ってしまい、十分に見極めきれない事があります。そのような場合には、超音波検査の方が良いと考えられています。
 30歳代になると、乳がんの罹患率が上がり始めますので、一般の人間ドックなどでは、担当医とよく相談をして、より望ましい方法で検診を受けることが大切です。

検診等で何かあった場合には、マンモグラフィと超音波の両方でよく確認をします。より詳しい検査が必要な場合には、細い針を使って病変が疑われる部分から細胞や組織を取り出して、顕微鏡で見てよく調べます。
 乳がんであった場合には、手術治療、化学療法・ホルモン療法などを上手に組み合わせて治療を行います。手術で切る範囲をなるべく小さくするための温存療法や、見張りリンパ節生検などの技術も進みましたし、薬の治療も種類が増えて、治療効果・治療成績が高まりました。

ご心配なこと、気になることがありましたら、まずは、乳腺科・乳腺外来にご相談されて下さい。

(G・T)

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