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新型コロナウイルス感染症にどう臨むか?

新型コロナウイルス感染症にどう臨むか?

令和2年12月3日 発行

区民の皆様にとっては、インフルエンザの流行期に向かって非常に不安の多いところかと思います。この原稿を書いている11月5日の東京都の新型コロナ感染者の数値は269人で、都内で一日の感染の確認が250人を超えるのは、284人だった10月15日以来です。また、200人を超えるのは10月3日以来です。入院は973人で重症は38人となっています。GOTOキャンペーンなどが始まり今後の拡大傾向が懸念されます。

現在の区内の医療機関における新型コロナウイルスの検査体制としては、予約制で行っている医師会の発熱外来、区内主要病院が行っている発熱外来があります。その他、一般診療所でも、東京都との手続きをして、PCR検査が可能な医療機関が存在します。

新型コロナウイルス感染症の検査の種類としては、多く耳にされるPCR検査と、新型コロナウイルス抗原検査に分かれます。PCR検査は、咽頭や鼻腔拭い液や唾液を採取して検査センターに送って検査するものなので、検査結果判明までに早くても1日以上かかります。一方、抗原検査は、外来での迅速検査となりますので30分程度で結果が判明します。抗原検査はインフルエンザの迅速検査に近いイメージのものです。当然運用上は、迅速抗原検査のほうが結果が早くわかるので良さそうな感じですが、PCR検査と比べ検査精度が低いことが知られています。抗原検査で陽性になっても、PCR検査で陰性となる例が多数報告されています。

みなさんが抗原検査で新型コロナウイルスに陽性となった場合は、医療機関は保健所に対して、法律に基づいて新型コロナウイルス感染症発生届けを出します。多くの場合は、いったん帰宅していただくことが多いようです。その後、必要であれば追加でPCR検査が実施されます。もし、PCR検査で陽性が確定となれば、発熱がある方は入院、それ以外の方はホテル等の療養施設に送られます。これが大筋の流れです。

厳冬期を迎えるに当たって、インフルエンザの同時流行を心配なさる区民の皆様も多いと思います。流行の程度を予測するのは大変困難ですが、やはり今まで通りの予防策を着実に行っていくことが大事でしょう。3密を避けることは当然として、インフルエンザの予防接種を受けることや、マスクの着用、咳エチケットの実践などです。

また、風邪症状があって受診を希望する場合は、まずは「かかりつけ」の医療機関に電話で相談してください。予約制で診療を行っている医療機関であれば電話で予約の上ご来院ください。みなさまの感染予防の観点から、電話連絡や予約なしに、いきなり医療機関を受診することはお止めください。

区内のすべての医療機関の医師をはじめとする医療従事者は、区民の皆様の健康を守るべく鋭意努力奮闘しています。区民の皆様のご理解とご協力をお願い申しあげます。

(M・T記)

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